春にしては随分と低い気温、雨が降らなかったのは幸いでしたが、日曜日にはふさわしくない曇り空の下、僕達はベニーランドへとやってきました。
「こんなことがなけりゃ二度と来ない」
「入場料高い」
「フリーパス買った方がコストパフォーマンス高いけどどうせそんな乗らない、っていうかこのメンツで誰が乗り物乗るんだ?」
というネガティブなつぶやき、そして心の叫びが僕らの間で飛び交いましたが、来たんだから入らないわけにはいかないので、とにかく入場券を買って入ります(800円)。
ベニーランドと言えば東北三大テーマパークの一つとして名高いところで、なんといっても有名なのがベニーランドのテーマソングです。「ヤンヤンヤヤー 八木山のー」という柔らかな女声がなんともいえない響きをたたえ、誰もが日々張り詰めてきたやる気を根こそぎ取り除く、あの歌です。youtubeにも上がっているみたいなんで、もし興味のある人は見てみてください。
あと、ジェットコースターが東北一古いらしいです。日本一って聞くとすごい感じですが、そんな古いもんを現役バリバリで走らせてるかと思うと、絶叫マシンにはしゃぐ人々の声がいつ阿鼻叫喚に変わるか日々戦々恐々としています。
「ベニーランドって、こんなに小さかったっけ」ともらしたのは、仙台出身のメンバーでした。刈り整えられた植え込みも、古びたメリーゴーランドも、海の家とろくにメニューの変わらない食堂も、小さい頃はみな大きく、非日常の不思議に満ち溢れたものに見えたものでした。それがいつしか、成長するにつれて、単なるモノにしか見えなくなっていくのは、少し寂しいですね。僕は県外出身なので、大学生になってからじゃなくて、もっと前にベニーランドに来れていたら良かった、そんな風にも思ったり。
そんなことを話していると、謎のきのこに遭遇しました。
どれだけ仲間になりたそうな目でこちらを見ていたとしても、絶対仲間にしたくない顔をしています。
こいつらは昔輪投げの的にされていたそうですが、何故か的役から降板になったようです。いろんなところに生えており、ゴーカートのサーキットにも一匹生えています。
もしこいつを子どものとき見てたら確実にトラウマになっていたので、やっぱ今になってからベニーランド来てよかったなあ、と思いました。
そしてよく分からない乗り物を発見します。
これは、どうやら食料品店のレジを模したもののようなのですが、一見してもどういうアトラクションなのかよく分かりません。
試しに100円を入れると、軽快な音楽とともにこいつが左右に揺れます。
左右に揺れ、
左右に揺れ、
そして止まります。
多分、子ども達はこれに乗りながら軽快なリズムの中でおままごとをするんだと思います。おままごとをしたい気分になったら是非乗ってみるといいと思います。
ちなみに、横にいる熊はしばらく放置していると、「ぼくといっしょにはたらこうよ~」と言い始めます。きっと彼は、一日に何度もその台詞を、虚空に向かって叫んでいるのでしょう。見ていると無性に切なくなったので足早にその場を去りました。
ちょうど昼時になったので、食堂へ向かいます。メニューは様々でしたが、何故かそこにある麺類の類はどれも「カレー」トッピングが可能となっていました。
カレーうどんはもとより、
カレーそばも、
カレーラーメンもありました。
しかも、どのカレーメニューの場合でも「汁にカレーをぶちこむスタイル」だったために、見た目がかなりキテます。想像してもらえれば分かりますよね。
僕は折角だったので、カレーラーメンを頼みました。
見た目はあれなのですが…
口にしてみると、意外といけます。正直、学食のラーメンよりもずっと美味しいです。550円だったので値段的にも良心的ですし、ベニーランドに行かれた際は是非カレーラーメンを注文されると良いのではないかと思います。
あとはそのあたりを散策するなどして、一日を過ごしました。
ベニーランドは、正直のところ行く前はあまり良いイメージがありませんでした。ですが、知れば知るほど奥が深く、見れば見るほど不思議なこの空間は、人生で一度は行っておく価値のある場所だと思います。暇な人は一度、一人でもいいので行ってみると良いのではないでしょうか。
ただ、ゴールデンウィーク中は信じられないほど混むのでご注意を。
高橋